がんの骨転移のエックス線所見と治療による変化
がんに対する一般的治療は, 診断技術の進歩と相まって, 近年, 長足の進歩をとげているが, 骨に発生するがんの転移は, がんの末期的象徴として, 積極的な治療はややもすれば, 軽視され, あるいは, まったく消極的な, 対象療法に終始しているようである. しかし, 原発巣に対する治療の進歩に伴って, 患者の生命は著しく延長され, 骨転移巣への治療も, 近年, 内分泌療法や, 放射線治療の分野で, その向上はみるべきものがある. 昭和37年5月以降, 国立がんセンター病院で多数のがんの骨転移に対して治療が行なわれてきたが, その骨病巣のレ線学的所見の推移を, 治療と関連して検討してみた. 「骨転...
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Veröffentlicht in: | 医療 1967-03, Vol.21 (3), p.299-308 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | がんに対する一般的治療は, 診断技術の進歩と相まって, 近年, 長足の進歩をとげているが, 骨に発生するがんの転移は, がんの末期的象徴として, 積極的な治療はややもすれば, 軽視され, あるいは, まったく消極的な, 対象療法に終始しているようである. しかし, 原発巣に対する治療の進歩に伴って, 患者の生命は著しく延長され, 骨転移巣への治療も, 近年, 内分泌療法や, 放射線治療の分野で, その向上はみるべきものがある. 昭和37年5月以降, 国立がんセンター病院で多数のがんの骨転移に対して治療が行なわれてきたが, その骨病巣のレ線学的所見の推移を, 治療と関連して検討してみた. 「骨転移巣のレ線学的分類」昭和37年5月以降, 満3年間に, レ線的に発見されたがんの骨転移例数は229例であるが, これらを, そのレ線所見によって分類した. すなわち, 骨転移巣のレ線透過性の増加または減少所見から, おのおの, 溶骨型と造骨型に分け, さらに, 転移巣が多発したり, また, ある病巣で硬化像を他の病巣で溶骨像をみる場合や, 同一病巣で, 溶骨像と硬化像が, 混在する場合を, 混合型としたが, 表1のごとく, 溶骨型転移が, 乳がん, 肺がん, 子宮がん, 腎がんなどでは, おのおのの症例の70%以上に達し, また, 全症例の75.1%を占めている. (表1) |
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ISSN: | 0021-1699 |