国立国府台病院精神科の現況と問題点
国立国府台病院の精神科は, 総病床835のうち360床を有し, 総合病院の精神科としては特異な存在である. そのため, 治療中心の病院としての運営には特に配慮が必要であるうえに, 精神障害者治療態勢のなかで国立病院精神科のしめる位置づけの問題がからみ合い, その現況についてあらためて検討が望まれる時期にあると思われる. まず, 問題点を列挙してみよう. (1)新外来患者(新患)が年間2,000名を越え, 精神分裂病がうち400名に余ることからわかるように, 新しく入院を必要とする患者があとをたたない. ところが, 当科では入院患者はほぼ350を越し新しい患者を収容することが困難なことが多い....
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 医療 1966/07/20, Vol.20(7), pp.741-742 |
---|---|
1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 国立国府台病院の精神科は, 総病床835のうち360床を有し, 総合病院の精神科としては特異な存在である. そのため, 治療中心の病院としての運営には特に配慮が必要であるうえに, 精神障害者治療態勢のなかで国立病院精神科のしめる位置づけの問題がからみ合い, その現況についてあらためて検討が望まれる時期にあると思われる. まず, 問題点を列挙してみよう. (1)新外来患者(新患)が年間2,000名を越え, 精神分裂病がうち400名に余ることからわかるように, 新しく入院を必要とする患者があとをたたない. ところが, 当科では入院患者はほぼ350を越し新しい患者を収容することが困難なことが多い. そのうえ, 市川周辺で従来は当科に入院困難な患者を紹介入院させていた精神病院(法人立, 個人立など数病院)が最近ほぼ満床に近く, 紹介入院も困難な時がある. (2)当科を退院した患者で病状が悪化し再入院を必要とする例が多くある. 私が昭和37年度に退院した市川在住の精神分裂病患者22名を40年春に予後調査したところ, 現在入院中のもの10名, 現在在宅だが入院を要するもの2名, 自宅でぶらぶらしているもの4名, 何とか社会生活に適応中のもの6名であり, また, これらの患者が37年度に退院してから現在までに再入院を繰り返したものは3回1名, 2回11名, 1回6名であった. |
---|---|
ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.20.741 |