横隔膜ヘルニアの1治験例

横隔膜ヘルニアの報告例は欧米では比較的多くあまりまれな疾病ではないとされているが, 本邦ではいまだ欧米に比較して症例報告は少なく現在まで, 約200例位に及んでいる. 本医療投稿例でも最近雨宮21)その他の先天性横隔膜ヘルニアの1例が報告されているが, これは手術例ではない. われわれは最近食道裂孔ヘルニアの1治験例を経験したのでここに報告する. 「症例」田○博, 16才, 男子. 主訴:心窩部および前胸部の重圧灼熱感. 最近3ヵ月間主訴が続き, ことに胸骨下部にいわゆるジリジリするような灼熱感を食後ただちに訴えるようになつた. 食思良好, 皮皺はなく, 排便も正常であり, 悪心, 嘔吐, 体...

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Veröffentlicht in:医療 1965, Vol.19(5), pp.422-424
Hauptverfasser: 寺崎, 平, 木村, 忠, 隈本, 郁郎, 加庭, 信二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:横隔膜ヘルニアの報告例は欧米では比較的多くあまりまれな疾病ではないとされているが, 本邦ではいまだ欧米に比較して症例報告は少なく現在まで, 約200例位に及んでいる. 本医療投稿例でも最近雨宮21)その他の先天性横隔膜ヘルニアの1例が報告されているが, これは手術例ではない. われわれは最近食道裂孔ヘルニアの1治験例を経験したのでここに報告する. 「症例」田○博, 16才, 男子. 主訴:心窩部および前胸部の重圧灼熱感. 最近3ヵ月間主訴が続き, ことに胸骨下部にいわゆるジリジリするような灼熱感を食後ただちに訴えるようになつた. 食思良好, 皮皺はなく, 排便も正常であり, 悪心, 嘔吐, 体重減少もない. 以上の主訴で本院内科を受診, 放射線科を経て食道下部憩室の診断のもとに外科におくられてきた. 既往歴:両親の言によれば患者は小さい時よく牛乳を吐出することがあつたが, 発育は大体順調である.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.19.422