難治性悪性腹水症例に対する腹腔―静脈シャント療法の終末期医療における役割

腹腔―静脈シャント(PVS)療法を実施した難治性悪性腹水患者34例を対象として,治療成績を検討した.原疾患は消化器系癌31例,婦人科癌3例であり,ECOG PS 2が21例,PS 3が13例であった.治療後に79.4%で腹部膨満感が消失し,60.9%に食欲改善が得られた.術後生存日数中央値は38日[1~294日]で,18例(52.9%)で在宅復帰が可能であった.合併症はclinical DICが3例(8.8%),心不全が7例(20.6%)にみられた.難治性悪性腹水患者の癌終末期においてPVS療法は,症状緩和,自宅退院などに寄与できる治療法であるが,適応には十分留意する必要がある....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2023/12/10, Vol.120(12), pp.1003-1011
Hauptverfasser: 谷浦, 隆仁, 山本, 徹, 井上, 圭亮, 岸, 隆, 石飛, 一成, 佐藤, 仁俊, 日髙, 匡章
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腹腔―静脈シャント(PVS)療法を実施した難治性悪性腹水患者34例を対象として,治療成績を検討した.原疾患は消化器系癌31例,婦人科癌3例であり,ECOG PS 2が21例,PS 3が13例であった.治療後に79.4%で腹部膨満感が消失し,60.9%に食欲改善が得られた.術後生存日数中央値は38日[1~294日]で,18例(52.9%)で在宅復帰が可能であった.合併症はclinical DICが3例(8.8%),心不全が7例(20.6%)にみられた.難治性悪性腹水患者の癌終末期においてPVS療法は,症状緩和,自宅退院などに寄与できる治療法であるが,適応には十分留意する必要がある.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.120.1003