内視鏡の進歩がもたらしたIBD診療の新たな展開

炎症性腸疾患(IBD)診療において,内視鏡は診断から治療に至るまで幅広い役割を果たす.そのため,内視鏡機器の進歩はIBD診療にさまざまな変革をもたらし得る.潰瘍性大腸炎では,拡大観察や特殊光観察,人工知能の応用により内視鏡的寛解の定義や癌サーベイランスにおける新知見が複数報告されている.Crohn病では,大腸のみならず小腸病変も適切に評価することが疾患予後改善に必要不可欠であるが,小腸病変の診断や活動性評価における内視鏡の有用性に関して本邦を中心にさまざまな検討がなされている.内視鏡機器の進歩を適切に応用し,IBD患者の長期予後改善に繋がるエビデンスが構築されることを期待する....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2023/11/10, Vol.120(11), pp.880-887
Hauptverfasser: 江﨑, 幹宏, 芥川, 剛至, 坂田, 資尚
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:炎症性腸疾患(IBD)診療において,内視鏡は診断から治療に至るまで幅広い役割を果たす.そのため,内視鏡機器の進歩はIBD診療にさまざまな変革をもたらし得る.潰瘍性大腸炎では,拡大観察や特殊光観察,人工知能の応用により内視鏡的寛解の定義や癌サーベイランスにおける新知見が複数報告されている.Crohn病では,大腸のみならず小腸病変も適切に評価することが疾患予後改善に必要不可欠であるが,小腸病変の診断や活動性評価における内視鏡の有用性に関して本邦を中心にさまざまな検討がなされている.内視鏡機器の進歩を適切に応用し,IBD患者の長期予後改善に繋がるエビデンスが構築されることを期待する.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.120.880