北海道道北・道東圏内における炎症性腸疾患患者の医療連携構築に向けた課題

炎症性腸疾患(IBD)患者の基幹病院と地域中核病院における医療連携の確立は,本邦において重要な課題となっている.本研究は,北海道内の多施設による後ろ向きコホート研究とアンケート調査から,その診療実態と医療連携構築の課題を明らかにすることを目的とした.その結果,IBD患者の基幹病院へ集中と診療格差が明らかとなり,地域中核病院での病院機能,メディカルスタッフのIBD診療理解度の低さが逆紹介の課題と考えられた.課題の解決には,重症度に応じた診療の棲み分け,教育活動やチーム医療の充実化が重要と考える.基幹病院と地域中核病院でIBD医療連携が進むことで,IBD診療の均てん化を実現できると考える....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2023/07/10, Vol.120(7), pp.590-601
Hauptverfasser: 佐藤, 允洋, 上野, 伸展, 杉村, 浩二郎, 岩間, 琢哉, 田中, 一之, 坂谷, 慧, 芹川, 真哉, 安藤, 勝祥, 嘉島, 伸, 石川, 千里, 武藤, 桃太郎, 稲場, 勇平, 盛一, 健太郎, 田邊, 裕貴, 奥村, 利勝, 藤谷, 幹浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:炎症性腸疾患(IBD)患者の基幹病院と地域中核病院における医療連携の確立は,本邦において重要な課題となっている.本研究は,北海道内の多施設による後ろ向きコホート研究とアンケート調査から,その診療実態と医療連携構築の課題を明らかにすることを目的とした.その結果,IBD患者の基幹病院へ集中と診療格差が明らかとなり,地域中核病院での病院機能,メディカルスタッフのIBD診療理解度の低さが逆紹介の課題と考えられた.課題の解決には,重症度に応じた診療の棲み分け,教育活動やチーム医療の充実化が重要と考える.基幹病院と地域中核病院でIBD医療連携が進むことで,IBD診療の均てん化を実現できると考える.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.120.590