GERD診療において鑑別すべき疾患―好酸球性食道炎の話題を中心に

胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease;GERD)は,胃内容物が食道へ逆流することによって食道粘膜障害や胸やけ,呑酸などの症状が誘発される疾患である.一方,好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis;EoE)は,食物などがアレルゲンとなって好酸球が食道壁へ浸潤することで炎症が誘発される疾患であり,近年本邦で患者数が増加している.GERDとEoEは,臨床症状のみならず胃酸の関与という病態的な類似点もあり,GERDと鑑別すべき重要な疾患の1つである.EoEは半数以上でプロトンポンプ阻害剤が有効であり,EoEの確定診断には内視鏡検査と生検が...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2023/02/10, Vol.120(2), pp.153-161
Hauptverfasser: 石原, 俊治, 石村, 典久
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease;GERD)は,胃内容物が食道へ逆流することによって食道粘膜障害や胸やけ,呑酸などの症状が誘発される疾患である.一方,好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis;EoE)は,食物などがアレルゲンとなって好酸球が食道壁へ浸潤することで炎症が誘発される疾患であり,近年本邦で患者数が増加している.GERDとEoEは,臨床症状のみならず胃酸の関与という病態的な類似点もあり,GERDと鑑別すべき重要な疾患の1つである.EoEは半数以上でプロトンポンプ阻害剤が有効であり,EoEの確定診断には内視鏡検査と生検が必要である.本稿では,GERDとの鑑別診断という点を踏まえ,EoEの病態や治療も含めてEoE診療の現状を解説した.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.120.153