ウイルス肝炎診療の現状と課題

この30年間のウイルス肝炎に対する診療の進歩には目覚ましいものがある.C型肝炎に関しては,1989年のウイルスの発見を淵源として,抗ウイルス治療による疾患の克服が進み,その到達点として非代償性肝硬変に対してDAA治療が可能になった.AMEDの支援を受けた研究により,リアルワールドにおける安全性と効果が確認されたが,肝疾患の可塑性という視点からは限界があることも浮き彫りになった.ウイルス排除後の肝疾患の病態を解明すべく,さらなる研究が加速している.一方,B型肝炎に関して,核酸アナログ治療により肝不全への移行は激減したが,肝癌の発生が低下していない.感染からの離脱を目指した創薬研究が急加速している...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2022/09/10, Vol.119(9), pp.787-792
1. Verfasser: 竹原, 徹郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:この30年間のウイルス肝炎に対する診療の進歩には目覚ましいものがある.C型肝炎に関しては,1989年のウイルスの発見を淵源として,抗ウイルス治療による疾患の克服が進み,その到達点として非代償性肝硬変に対してDAA治療が可能になった.AMEDの支援を受けた研究により,リアルワールドにおける安全性と効果が確認されたが,肝疾患の可塑性という視点からは限界があることも浮き彫りになった.ウイルス排除後の肝疾患の病態を解明すべく,さらなる研究が加速している.一方,B型肝炎に関して,核酸アナログ治療により肝不全への移行は激減したが,肝癌の発生が低下していない.感染からの離脱を目指した創薬研究が急加速している.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.119.787