腸管型ベーチェット病:疫学,診断から今後の課題まで

腸管型ベーチェット病は,本邦の診断基準ではベーチェット病の特殊型とされているが,診断基準を満たさない疑い例が多く,非専門医が診断に困惑する場合もある.その病態は近年のゲノムワイド関連解析などにより徐々に解明されつつあるが,trisomy 8をともなう骨髄異形成症候群合併例など,今後,疾患概念の整理が必要になるかもしれない領域が残されている.従来,術後の高い累積再手術率など,治療に難渋する場合が多かったが,世界で初めて抗TNF-α抗体製剤による治療が保険承認され,以前より治療の有効性は向上している.本稿ではベーチェット病診療ガイドライン2020の記載内容をベースに,臨床でのポイントを述べる....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2022/03/10, Vol.119(3), pp.217-226
Hauptverfasser: 渡辺, 憲治, 河合, 幹夫, 横山, 陽子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:腸管型ベーチェット病は,本邦の診断基準ではベーチェット病の特殊型とされているが,診断基準を満たさない疑い例が多く,非専門医が診断に困惑する場合もある.その病態は近年のゲノムワイド関連解析などにより徐々に解明されつつあるが,trisomy 8をともなう骨髄異形成症候群合併例など,今後,疾患概念の整理が必要になるかもしれない領域が残されている.従来,術後の高い累積再手術率など,治療に難渋する場合が多かったが,世界で初めて抗TNF-α抗体製剤による治療が保険承認され,以前より治療の有効性は向上している.本稿ではベーチェット病診療ガイドライン2020の記載内容をベースに,臨床でのポイントを述べる.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.119.217