Helicobacter pylori除菌療法にて治癒したcap polyposisの1例
「はじめに」 Cap polyposis (CP)は直腸からS状結腸を中心に炎症性ポリープが多発するまれな疾患であり, 近年Helicobacter pylori (HP)除菌療法で改善した報告が散見されている. HP除菌療法にて治癒したCPの1例を経験したので報告する. 「I 症例」 患者: 40歳代, 男性. 主訴: 粘血便. 家族歴: 特記事項なし. 既往歴: 糖尿病. 現病歴: 7カ月前からの粘血便の精査目的で大腸内視鏡検査を施行したところ, 直腸~S状結腸にかけて表面に粘液の付着を認める発赤調の隆起性病変が散見された. 病変部の生検病理組織では, びらんをともなう過形成粘膜上皮を認め...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 2021/02/10, Vol.118(2), pp.183-187 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」 Cap polyposis (CP)は直腸からS状結腸を中心に炎症性ポリープが多発するまれな疾患であり, 近年Helicobacter pylori (HP)除菌療法で改善した報告が散見されている. HP除菌療法にて治癒したCPの1例を経験したので報告する. 「I 症例」 患者: 40歳代, 男性. 主訴: 粘血便. 家族歴: 特記事項なし. 既往歴: 糖尿病. 現病歴: 7カ月前からの粘血便の精査目的で大腸内視鏡検査を施行したところ, 直腸~S状結腸にかけて表面に粘液の付着を認める発赤調の隆起性病変が散見された. 病変部の生検病理組織では, びらんをともなう過形成粘膜上皮を認めた. また, 表層部には好中球を主体とする炎症性細胞浸潤を認め, 粘膜は肉芽組織と再生上皮により置換されていた. 血液・生化学所見: WBC 7700/μl, CRP 0.04mg/dlであり, TP 5.8g/dl, ALB 3.4g/dlと低蛋白血症を認めた. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi.118.183 |