食道・頭頸部表在癌診断の現況と課題

食道早期癌の最初の報告から50年,食道表在癌の診断・治療は大きな変遷を遂げた.自覚症状がなく,凹凸の目立たない病変を発見するために内視鏡検査が行われ,ヨード染色を併用することで,拾い上げ診断率は向上した.次いで,narrow band imaging(NBI)の開発により,被検者に負担をかけることなく,病変の発見が可能になった.発見された病変は,拡大内視鏡観察なども含め深達度診断を行い,食道粘膜癌には内視鏡治療を行っているが,臓器が温存できる非侵襲的な内視鏡治療は,徐々に適応が拡大されている.一方,食道と同じ扁平上皮で覆われた頭頸部領域も,食道と同じ道を歩んでおり,NBI観察にて発見された病変...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2018/10/10, Vol.115(10), pp.837-846
1. Verfasser: 門馬, 久美子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:食道早期癌の最初の報告から50年,食道表在癌の診断・治療は大きな変遷を遂げた.自覚症状がなく,凹凸の目立たない病変を発見するために内視鏡検査が行われ,ヨード染色を併用することで,拾い上げ診断率は向上した.次いで,narrow band imaging(NBI)の開発により,被検者に負担をかけることなく,病変の発見が可能になった.発見された病変は,拡大内視鏡観察なども含め深達度診断を行い,食道粘膜癌には内視鏡治療を行っているが,臓器が温存できる非侵襲的な内視鏡治療は,徐々に適応が拡大されている.一方,食道と同じ扁平上皮で覆われた頭頸部領域も,食道と同じ道を歩んでおり,NBI観察にて発見された病変の検討から表在癌の定義もでき,現在多くの症例に内視鏡治療が行われている.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.115.837