十二指腸粘膜防御機構:十二指腸生理学の最新知見
十二指腸粘膜は,常に胃酸に曝露されるとともに食物や薬物にも高濃度で曝露されている.十二指腸粘膜は,多層的な防御機構で保護されている.近年十二指腸粘膜が管腔内の栄養素や物質を感知して「味見」をすることで,知覚神経や腸内分泌細胞を介して局所の粘膜応答や近接臓器へのシグナル伝達をすることがわかってきた.肥満外科手術は十二指腸をスキップすることで劇的な減量効果を生むことから,十二指腸の生理的役割は栄養素感知機構による栄養素吸収の促進である.また,脂肪吸収時にLPS吸収が生理的におこること,腸内分泌細胞由来のホルモンがLPS吸収の制御に関与する結果が得られてきている.本稿では,改めて十二指腸の生理学的な...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 2018/02/15, Vol.115(2), pp.137-159 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 十二指腸粘膜は,常に胃酸に曝露されるとともに食物や薬物にも高濃度で曝露されている.十二指腸粘膜は,多層的な防御機構で保護されている.近年十二指腸粘膜が管腔内の栄養素や物質を感知して「味見」をすることで,知覚神経や腸内分泌細胞を介して局所の粘膜応答や近接臓器へのシグナル伝達をすることがわかってきた.肥満外科手術は十二指腸をスキップすることで劇的な減量効果を生むことから,十二指腸の生理的役割は栄養素感知機構による栄養素吸収の促進である.また,脂肪吸収時にLPS吸収が生理的におこること,腸内分泌細胞由来のホルモンがLPS吸収の制御に関与する結果が得られてきている.本稿では,改めて十二指腸の生理学的な役割を再認識することで,関連する疾患への治療の一助となることを目的としたい. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi.115.137 |