イレウス管が原因となり回腸の2カ所に生じた成人腸重積の1例
「要旨」: 症例は87歳の女性, 麻痺性イレウスの診断で入院となった. イレウス管を挿入後, 腹部症状の改善を認めたが, 第3病日に再度腹部膨満が出現した. 腹部CTにて, 深部回腸および回腸末端に腸重積が疑われ, 当院外科にて緊急手術となった. 深部回腸および回腸末端に順行性腸重積を認め, それぞれ小腸部分切除術, 用手整復術を施行された. イレウス管が誘因となり回腸の2カ所に腸重積をきたした症例は極めてまれであり報告する. 「はじめに」成人の腸重積は比較的まれであり, 腸重積症例全体の5%と報告されている. また, その原因は腫瘍や憩室などの器質的疾患が90%程度を占めるとされる. 今回,...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 2017/06/05, Vol.114(6), pp.1001-1007 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」: 症例は87歳の女性, 麻痺性イレウスの診断で入院となった. イレウス管を挿入後, 腹部症状の改善を認めたが, 第3病日に再度腹部膨満が出現した. 腹部CTにて, 深部回腸および回腸末端に腸重積が疑われ, 当院外科にて緊急手術となった. 深部回腸および回腸末端に順行性腸重積を認め, それぞれ小腸部分切除術, 用手整復術を施行された. イレウス管が誘因となり回腸の2カ所に腸重積をきたした症例は極めてまれであり報告する. 「はじめに」成人の腸重積は比較的まれであり, 腸重積症例全体の5%と報告されている. また, その原因は腫瘍や憩室などの器質的疾患が90%程度を占めるとされる. 今回, イレウス管が誘因となり, 回腸の2カ所に腸重積をきたしたまれな1例を経験したので, 文献的考察を含めて報告する. 「I 症例」「症例」: 87歳, 女性. 「既往歴」: 血管性認知症, 虫垂炎術後(21歳時). |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi.114.1001 |