消化管ポリポーシスの分類と特徴

消化管に多数のポリープ様病変を認める遺伝性消化管ポリポーシスは,原因遺伝子の生殖細胞系列遺伝子によって生じる.臨床的に類似した病態であっても遺伝的異質性があり,分子分類が重要になってきた.良性腫瘍として発症するが,大腸癌や他の消化管癌のハイリスク状態にあり,サーベイランスが重要である.家族性あるいは遺伝性消化管ポリポーシスは,腺腫性ポリポーシスと過誤腫性ポリポーシスに分類される.前者の原因遺伝子はAPC,MUTYH,NTHL1,MSH3,POLE,POLD1,ミスマッチ修復遺伝子が知られている.後者はPeutz-Jeghers症候群,若年性ポリポーシス,PTEN過誤腫症候群(Cowden病)が...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2017/03/05, Vol.114(3), pp.403-412
Hauptverfasser: 田村, 和朗, 冨田, 尚裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:消化管に多数のポリープ様病変を認める遺伝性消化管ポリポーシスは,原因遺伝子の生殖細胞系列遺伝子によって生じる.臨床的に類似した病態であっても遺伝的異質性があり,分子分類が重要になってきた.良性腫瘍として発症するが,大腸癌や他の消化管癌のハイリスク状態にあり,サーベイランスが重要である.家族性あるいは遺伝性消化管ポリポーシスは,腺腫性ポリポーシスと過誤腫性ポリポーシスに分類される.前者の原因遺伝子はAPC,MUTYH,NTHL1,MSH3,POLE,POLD1,ミスマッチ修復遺伝子が知られている.後者はPeutz-Jeghers症候群,若年性ポリポーシス,PTEN過誤腫症候群(Cowden病)が含まれ,それぞれの原因遺伝子はSTK11,SMAD4およびBMPR1A, PTENである.これらの原因遺伝子の異常が特徴的な病態や癌化と関連しており,特徴を理解して対応することが望まれる.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.114.403