機能性消化管障害の将来展望―多元的解釈から一元的解釈へ

機能性消化管障害は多元的要因による病態で,多種多様の治療アプローチがあると考えられてきた.しかし消化管粘膜の微細炎症,腸内細菌に関する多彩な研究から,機能性消化管障害は腸内細菌の異常による病態として一元的に解釈することが可能となってきた.まだすべての証拠が揃ったわけではないが,機能性消化管障害を腸内細菌叢の異常による病態としてとらえると,一元的に,そして多彩な局面を呈する病態として評価することが可能となる.経験則から提示される多彩な薬物治療も,一元的病態の多彩な局面のそれぞれの場で奏功する機序の説明が可能となってくる.機能性消化管障害を多元的病態から一元的病態として考える時代は目前である....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2016/10/05, Vol.113(10), pp.1663-1671
1. Verfasser: 本郷, 道夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:機能性消化管障害は多元的要因による病態で,多種多様の治療アプローチがあると考えられてきた.しかし消化管粘膜の微細炎症,腸内細菌に関する多彩な研究から,機能性消化管障害は腸内細菌の異常による病態として一元的に解釈することが可能となってきた.まだすべての証拠が揃ったわけではないが,機能性消化管障害を腸内細菌叢の異常による病態としてとらえると,一元的に,そして多彩な局面を呈する病態として評価することが可能となる.経験則から提示される多彩な薬物治療も,一元的病態の多彩な局面のそれぞれの場で奏功する機序の説明が可能となってくる.機能性消化管障害を多元的病態から一元的病態として考える時代は目前である.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.113.1663