肝細胞癌の分子病理と悪性度

肝細胞癌は他の臓器の癌同様,多段階発癌の過程を示す.各段階の病変は明確に定義されているものの,組織像のみでは診断に苦慮することも多い.現在,早期肝細胞癌で発現異常を示す分子は診断補助のマーカーとして応用されている.肝細胞癌は進展するにつれ分化度を減じた高悪性度の領域を有するようになり(結節内結節),それにともない分子異常も変化していく.近年,遺伝子発現プロファイリングやそれらを用いたメタ解析により,遺伝子発現に基づいた進行肝細胞癌を細分類する試みや,より実践的な,免疫組織化学的手法を用いた分類が検討されている.いずれも進行肝細胞癌の病態や悪性度を理解するための手段として興味深い....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2016/05/05, Vol.113(5), pp.761-766
Hauptverfasser: 川井田, みほ, 辻川, 華子, 坂元, 亨宇
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:肝細胞癌は他の臓器の癌同様,多段階発癌の過程を示す.各段階の病変は明確に定義されているものの,組織像のみでは診断に苦慮することも多い.現在,早期肝細胞癌で発現異常を示す分子は診断補助のマーカーとして応用されている.肝細胞癌は進展するにつれ分化度を減じた高悪性度の領域を有するようになり(結節内結節),それにともない分子異常も変化していく.近年,遺伝子発現プロファイリングやそれらを用いたメタ解析により,遺伝子発現に基づいた進行肝細胞癌を細分類する試みや,より実践的な,免疫組織化学的手法を用いた分類が検討されている.いずれも進行肝細胞癌の病態や悪性度を理解するための手段として興味深い.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.113.761