肝粘液性嚢胞性腫瘍 (mucinous cystic neoplasm of the liver) の1切除例
「要旨」: 71歳女性. 心窩部不快感を主訴に当科を初診した. 腹部超音波検査にて肝S4に最大径35mmの多房性嚢胞性腫瘤を認めた. 肝粘液性嚢胞性腫瘍と術前診断し肝左葉切除術を施行した. 病理組織学的には嚢胞内腔は異型の乏しい一層の単層円柱上皮で覆われており, その直下には卵巣様間質を認めた. 嚢胞壁の一部に胆汁の沈着を認めたが, 画像所見と同様に病理学的にも胆管と嚢胞内腔の交通は認めなかった. 「はじめに」肝粘液性嚢胞性腫瘍は, 1985年にWheelerらがcystadenoma with mesenchymal stroma(CMS)として17例を報告している. 腫瘍の特徴として, (...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 2015-07, Vol.112 (7), p.1357-1366 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」: 71歳女性. 心窩部不快感を主訴に当科を初診した. 腹部超音波検査にて肝S4に最大径35mmの多房性嚢胞性腫瘤を認めた. 肝粘液性嚢胞性腫瘍と術前診断し肝左葉切除術を施行した. 病理組織学的には嚢胞内腔は異型の乏しい一層の単層円柱上皮で覆われており, その直下には卵巣様間質を認めた. 嚢胞壁の一部に胆汁の沈着を認めたが, 画像所見と同様に病理学的にも胆管と嚢胞内腔の交通は認めなかった. 「はじめに」肝粘液性嚢胞性腫瘍は, 1985年にWheelerらがcystadenoma with mesenchymal stroma(CMS)として17例を報告している. 腫瘍の特徴として, (1)嚢胞壁は粘液産生を認める円柱上皮を有する, (2)紡錘状の細胞からなる間葉系間質を認める, としている. 本邦においては原発性肝癌取扱い規約において肝粘液性嚢胞腺腫・腺癌として分類され, 乳頭状増生を示す粘液産生性上皮(胆管上皮に似る)で覆われた嚢胞状の腫瘍として記載がなされており, intraductal papillary neoplasm of the bile duct(IPNB)とmucinous cystic neoplasm(MCN)が混在していた. |
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ISSN: | 0446-6586 |