微小肺動脈腫瘍塞栓により呼吸不全をきたした肝細胞癌の1例

症例はC型慢性肝炎の60歳代女性である.多発性肝・リンパ節腫瘍を認め,生検で肝細胞癌と診断された.ソラフェニブ投与後約1カ月半で呼吸困難を訴え入院したが,低酸素血症が急速に悪化し,入院4日目に死亡した.画像診断では不明であったが,採取した組織で肺血管内に癌細胞を認めた.微小腫瘍塞栓で呼吸不全をきたし死亡する症例は,腺癌でまれに見られる.本症例は,同様の病態が肝細胞癌で生じた非常にまれな症例と考えられた....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2015/06/05, Vol.112(6), pp.1060-1066
Hauptverfasser: 山下, 信行, 谷本, 博徳, 山元, 英崇, 西浦, 三郎, 野村, 秀幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例はC型慢性肝炎の60歳代女性である.多発性肝・リンパ節腫瘍を認め,生検で肝細胞癌と診断された.ソラフェニブ投与後約1カ月半で呼吸困難を訴え入院したが,低酸素血症が急速に悪化し,入院4日目に死亡した.画像診断では不明であったが,採取した組織で肺血管内に癌細胞を認めた.微小腫瘍塞栓で呼吸不全をきたし死亡する症例は,腺癌でまれに見られる.本症例は,同様の病態が肝細胞癌で生じた非常にまれな症例と考えられた.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.112.1060