本邦におけるBarrett食道癌の疫学―現況と展望

近年,欧米において著明な増加を示す癌がBarrett食道癌である.欧米ではLSBEが主体でありSSBE主体の本邦とは背景が異なる上に,発癌には人種差や民族差が認められるものの,逆流性食道炎の著増などの背景から,本邦でも徐々に増加してきている.したがって,日常診療において正確な疫学データが必要であるが,いまだ不十分であるのが現状である.欧米の疫学データとの対比によると, 本邦での発癌リスク因子はLSBE,高齢者,男性,肥満,喫煙,逆流性食道炎,H. pylori非感染,大腸腫瘍などが推察され,これらの情報を取り入れた効率よいBarrett食道のサーベイランス法が早期に確立される必要があると考える...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2015/02/05, Vol.112(2), pp.219-231
Hauptverfasser: 天野, 祐二, 安積, 貴年, 坪井, 優, 本告, 成淳, 石村, 典久
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:近年,欧米において著明な増加を示す癌がBarrett食道癌である.欧米ではLSBEが主体でありSSBE主体の本邦とは背景が異なる上に,発癌には人種差や民族差が認められるものの,逆流性食道炎の著増などの背景から,本邦でも徐々に増加してきている.したがって,日常診療において正確な疫学データが必要であるが,いまだ不十分であるのが現状である.欧米の疫学データとの対比によると, 本邦での発癌リスク因子はLSBE,高齢者,男性,肥満,喫煙,逆流性食道炎,H. pylori非感染,大腸腫瘍などが推察され,これらの情報を取り入れた効率よいBarrett食道のサーベイランス法が早期に確立される必要があると考える.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.112.219