ミラノ基準外症例における肝細胞癌に対する肝移植―適応拡大基準を中心に

ミラノ基準内の肝癌に対する肝移植成績は良好である.腫瘍径3 cm以内3個以下あるいは5 cm以下単発というミラノ基準は,わが国の肝癌に対する肝移植の保険適応基準であるが,ミラノ基準を超えた肝癌患者でも肝移植によって肝癌が治癒する症例の存在が知られている.肝癌以外の疾患に対する肝移植とミラノ基準内の肝癌に対する肝移植成績の比較では,ミラノ基準内肝癌に対する肝移植成績が有意に良好であった.肝癌以外の症例への肝移植が保険収載されていることから,肝癌に対する適応拡大は合理的である.各施設による複数の拡大基準が提唱されているが,適応拡大により利益を受ける患者数と再発の頻度を考慮した利益の最大化が重要であ...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2014/05/05, Vol.111(5), pp.885-891
Hauptverfasser: 調, 憲, 吉屋, 匠平, 吉住, 朋晴, 内山, 秀昭, 副島, 雄二, 川中, 博文, 池上, 徹, 山下, 洋市, 池田, 哲夫, 前原, 喜彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ミラノ基準内の肝癌に対する肝移植成績は良好である.腫瘍径3 cm以内3個以下あるいは5 cm以下単発というミラノ基準は,わが国の肝癌に対する肝移植の保険適応基準であるが,ミラノ基準を超えた肝癌患者でも肝移植によって肝癌が治癒する症例の存在が知られている.肝癌以外の疾患に対する肝移植とミラノ基準内の肝癌に対する肝移植成績の比較では,ミラノ基準内肝癌に対する肝移植成績が有意に良好であった.肝癌以外の症例への肝移植が保険収載されていることから,肝癌に対する適応拡大は合理的である.各施設による複数の拡大基準が提唱されているが,適応拡大により利益を受ける患者数と再発の頻度を考慮した利益の最大化が重要である.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.111.885