急性食道粘膜病変の臨床病理学的検討

急性食道粘膜病変(acute esophageal mucosal lesion;AEML)は壊死性食道炎と急性びらん性食道炎を包括した疾患概念であるが,まだ十分認知されていない.急性発症し内視鏡的にびらん性変化を認め,腐食性食道炎や放射線性食道炎,感染性食道炎,慢性逆流性食道炎の急性増悪を除外しえたものをAEMLとし,57例を検討した.高齢男性で上部消化管出血を示唆する症状が多く,98%で基礎疾患を有し,67%で食道裂孔ヘルニアを,63%で胃十二指腸潰瘍性病変を合併していた.16%は基礎疾患で死亡していた.保存的治療で急速に改善するAEMLは慢性経過である胃食道逆流症とは異なる疾患と考えられ...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2013, Vol.110(7), pp.1249-1257
Hauptverfasser: 川内, 宏仁, 太田, 智之, 松原, 悠, 好崎, 浩司, 坂本, 淳, 網塚, 久人, 木村, 圭介, 前本, 篤男, 折居, 史佳, 蘆田, 知史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:急性食道粘膜病変(acute esophageal mucosal lesion;AEML)は壊死性食道炎と急性びらん性食道炎を包括した疾患概念であるが,まだ十分認知されていない.急性発症し内視鏡的にびらん性変化を認め,腐食性食道炎や放射線性食道炎,感染性食道炎,慢性逆流性食道炎の急性増悪を除外しえたものをAEMLとし,57例を検討した.高齢男性で上部消化管出血を示唆する症状が多く,98%で基礎疾患を有し,67%で食道裂孔ヘルニアを,63%で胃十二指腸潰瘍性病変を合併していた.16%は基礎疾患で死亡していた.保存的治療で急速に改善するAEMLは慢性経過である胃食道逆流症とは異なる疾患と考えられた.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.110.1249