クローン病に合併する直腸肛門管癌

クローン病に合併する大腸癌は欧米で結腸癌が多いのに対し,本邦では痔瘻癌を含む直腸肛門管癌が多い.大腸癌合併例はクローン病の罹病期間が長い例に多く,クローン病病変の合併のために早期診断が困難で予後は不良である.現状では直腸肛門の狭窄症状の進行,下血,痔瘻からの粘液排出増加などの臨床症状の変化に留意し,癌合併を念頭に置いて積極的な細胞診,組織診を行うことが必要である.直腸肛門管癌に対する癌サーベイランス法の確立については現在,厚労省難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班で素案を作成し,本邦独自のsurveillance programの確立の可否を多施設でのpilot studyで検討している....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2013, Vol.110(3), pp.396-402
Hauptverfasser: 杉田, 昭, 小金井, 一隆, 辰巳, 健志, 山田, 恭子, 二木, 了, 黒木, 博介, 木村, 英明, 鬼頭, 文彦, 福島, 恒男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:クローン病に合併する大腸癌は欧米で結腸癌が多いのに対し,本邦では痔瘻癌を含む直腸肛門管癌が多い.大腸癌合併例はクローン病の罹病期間が長い例に多く,クローン病病変の合併のために早期診断が困難で予後は不良である.現状では直腸肛門の狭窄症状の進行,下血,痔瘻からの粘液排出増加などの臨床症状の変化に留意し,癌合併を念頭に置いて積極的な細胞診,組織診を行うことが必要である.直腸肛門管癌に対する癌サーベイランス法の確立については現在,厚労省難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班で素案を作成し,本邦独自のsurveillance programの確立の可否を多施設でのpilot studyで検討している.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.110.396