病理学的に診断された粘膜下異所性胃腺より発生した進行胃癌の1例
[はじめに] 胃癌は胃粘膜層から発生するが, 粘膜下異所性胃腺を母地として発生した胃癌の報告が散見される. しかし, その多くが早期癌であり, 進行胃癌症例の報告はまれである. 今回われわれは, 病理組織学的所見より粘膜下異所性胃腺から発生したと考えられる進行胃癌症例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. [I 症例] 症例: 70歳代, 男性. 主訴: 嘔吐, 食事摂取困難. 現病歴: 2009年9月頃より上腹部痛を自覚していた. 同年12月には突然の噴出性嘔吐を認め, 精査加療目的で入院となった. 臨床経過: 上部消化管内視鏡検査にて幽門前部に粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認め, 内視鏡...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 2013, Vol.110(2), pp.290-293 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [はじめに] 胃癌は胃粘膜層から発生するが, 粘膜下異所性胃腺を母地として発生した胃癌の報告が散見される. しかし, その多くが早期癌であり, 進行胃癌症例の報告はまれである. 今回われわれは, 病理組織学的所見より粘膜下異所性胃腺から発生したと考えられる進行胃癌症例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. [I 症例] 症例: 70歳代, 男性. 主訴: 嘔吐, 食事摂取困難. 現病歴: 2009年9月頃より上腹部痛を自覚していた. 同年12月には突然の噴出性嘔吐を認め, 精査加療目的で入院となった. 臨床経過: 上部消化管内視鏡検査にて幽門前部に粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認め, 内視鏡の十二指腸への通過は不可能であった. インジゴカルミン散布・NBI拡大観察にて, 隆起部分に明らかな粘膜面の異常は認められなかった(Figure 1a). 上部消化管造影検査で幽門前部の全周性の伸展不良所見を認めた. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi.110.290 |