膵癌に対する術前化学療法

切除可能膵癌に対する標準治療は,切除+術後補助化学療法であるが,その成績は十分とはいえない.術前治療は,全身状態の良い術前に行われることで,根治切除率を高め,また治療反応性を確認できる利点がある.食道癌や乳癌では既に標準治療として行われているが,膵癌では少数例での検討のみであり,さらなる検討が必要である.治療の有効性指標として,R0切除率などとともに,血清腫瘍マーカーの推移(治療前後・切除後)は重要である.これまでの検討では,全身化学療法による術前治療は,安全に施行可能で,切除機会の喪失もほとんどなく,今後他施設で前向きに症例を集積していくべきである....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2011, Vol.108(10), pp.1654-1660
Hauptverfasser: 元井, 冬彦, 力山, 敏樹, 片寄, 友, 江川, 新一, 海野, 倫明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:切除可能膵癌に対する標準治療は,切除+術後補助化学療法であるが,その成績は十分とはいえない.術前治療は,全身状態の良い術前に行われることで,根治切除率を高め,また治療反応性を確認できる利点がある.食道癌や乳癌では既に標準治療として行われているが,膵癌では少数例での検討のみであり,さらなる検討が必要である.治療の有効性指標として,R0切除率などとともに,血清腫瘍マーカーの推移(治療前後・切除後)は重要である.これまでの検討では,全身化学療法による術前治療は,安全に施行可能で,切除機会の喪失もほとんどなく,今後他施設で前向きに症例を集積していくべきである.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.108.1654