gemcitabine,S-1併用療法が著効し,治癒切除にいたった巨大な進行胆嚢癌の1例
「要旨」 症例は57歳の男性, 十二指腸, 大腸, 肝臓へ直接浸潤と, 多発リンパ節転移をともなった進行胆嚢癌であった. gemcitabine(GEM)+S-1併用療法を開始した. 6コース後に部分奏効と診断し, 10コース後に拡大胆嚢摘出術を施行した, 病理検査では底部よりに5×3mmの範囲で低分化腺癌が残存するのみであった. 進行胆嚢癌に対してGEM+S-1併用療法が有用であった症例を経験したので報告する. 「はじめに」 全国集計によると胆道癌の罹患数と死亡数はほぼ同数であり, 予後不良の癌種であることがうかがわれる1). 胆道癌の唯一の根治的な治療法は外科的切除だが, 自覚症状に乏しく...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 2011, Vol.108(7), pp.1263-1270 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 「要旨」 症例は57歳の男性, 十二指腸, 大腸, 肝臓へ直接浸潤と, 多発リンパ節転移をともなった進行胆嚢癌であった. gemcitabine(GEM)+S-1併用療法を開始した. 6コース後に部分奏効と診断し, 10コース後に拡大胆嚢摘出術を施行した, 病理検査では底部よりに5×3mmの範囲で低分化腺癌が残存するのみであった. 進行胆嚢癌に対してGEM+S-1併用療法が有用であった症例を経験したので報告する. 「はじめに」 全国集計によると胆道癌の罹患数と死亡数はほぼ同数であり, 予後不良の癌種であることがうかがわれる1). 胆道癌の唯一の根治的な治療法は外科的切除だが, 自覚症状に乏しく, 周辺臓器への浸潤や遠隔転移をおこしやすいことから進行癌で発見されることが多く, 外科的治療の適応となる症例は少ない. 切除不能の進行胆道癌に対しては化学療法が適応となるが, 多数例による臨床試験はほとんど行われておらず標準的な化学療法は確立していない. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi.108.1263 |