胃生検組織のGlypican 3陽性所見を呈し, 異なるレクチン分画を示したα-fetoprotein(AFP)産生胃癌の2例
要旨:症例Iは82歳男性. 2型進行胃癌と門脈腫瘍塞栓を認めた. 症例IIは80歳男性. 分類不能の進行胃癌と多発肝転移, 門脈腫瘍塞栓を認めた. いずれもα-fetoprotein(AFP)産生胃癌と診断したが, AFP産生機序として, 症例Iは肝細胞化生, 症例IIは胎児期胃腸管の退形成が推測された. 胃生検組織の免疫組織化学染色では, Glypican 3が陽性を示し, 補助診断として有望である可能性が示唆された. 「はじめに」α-fetoprotein(AFP)産生胃癌1)2)は血清AFP値が高値を示すこと, 腫瘍マーカーの推移が胃癌の消長と相関すること, 免疫組織化学染色で癌細胞内に...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 2009, Vol.106 (6), p.805-812 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要旨:症例Iは82歳男性. 2型進行胃癌と門脈腫瘍塞栓を認めた. 症例IIは80歳男性. 分類不能の進行胃癌と多発肝転移, 門脈腫瘍塞栓を認めた. いずれもα-fetoprotein(AFP)産生胃癌と診断したが, AFP産生機序として, 症例Iは肝細胞化生, 症例IIは胎児期胃腸管の退形成が推測された. 胃生検組織の免疫組織化学染色では, Glypican 3が陽性を示し, 補助診断として有望である可能性が示唆された. 「はじめに」α-fetoprotein(AFP)産生胃癌1)2)は血清AFP値が高値を示すこと, 腫瘍マーカーの推移が胃癌の消長と相関すること, 免疫組織化学染色で癌細胞内にAFPの局在を証明できることなどから診断される. 一方, 胃肝様腺癌3)は血清AFP値が高度高値を示し, 病理組織学的に肝細胞類似の腫瘍細胞を主体とする疾患概念である. 胃肝様腺癌はAFP産生胃癌と重複する病態も多いが同義ではなく, 一般的なAFP産生胃癌とは区別される. |
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ISSN: | 0446-6586 |