経皮的ドレナージにて救命し得た脾膿瘍の1例

「要旨」:症例は86歳, 男性. 心臓カテーテル検査の3週間後に脾膿瘍を発症し, ショック状態となった. エコーガイド下に緊急膿瘍ドレナージ術を行い, 全身状態は急速に改善し, 第32病日退院となった. 起炎菌はStaphylocoocus haemolyticusが考えられた. 脾膿瘍に対して経皮的ドレナージが著効したので, 文献的考察を加え報告する. 「はじめに」脾膿瘍は比較的まれで症状が非特異的であることから, 重篤化して初めて診断されることが多い. 1970年代では脾膿瘍の死亡率は40%と報告されている1). 最近では画像診断の進歩により早期診断が可能となり, 死亡率は12.4%まで低...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2009, Vol.106(2), pp.247-252
Hauptverfasser: 真鍋, 麻紀, 法正, 恵子, 河口, 剛一郎, 大谷, 英之, 前田, 和範, 八杉, 晶子, 村脇, 義之, 松本, 和也, 香田, 正晴, 原田, 賢一, 八島, 一夫, 村脇, 義和
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」:症例は86歳, 男性. 心臓カテーテル検査の3週間後に脾膿瘍を発症し, ショック状態となった. エコーガイド下に緊急膿瘍ドレナージ術を行い, 全身状態は急速に改善し, 第32病日退院となった. 起炎菌はStaphylocoocus haemolyticusが考えられた. 脾膿瘍に対して経皮的ドレナージが著効したので, 文献的考察を加え報告する. 「はじめに」脾膿瘍は比較的まれで症状が非特異的であることから, 重篤化して初めて診断されることが多い. 1970年代では脾膿瘍の死亡率は40%と報告されている1). 最近では画像診断の進歩により早期診断が可能となり, 死亡率は12.4%まで低下している2). 従来は, 脾膿瘍に対しては, 摘脾術および開腹ドレナージ術が第1選択とされていたが, 近年では超音波ガイド下でのドレナージ処置も可能となってきている. 今回, ショック状態をきたした脾膿瘍に対して, 超音波ガイド下に行った膿瘍ドレナージ術が著効した1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.106.247