ダナパロイドナトリウムによる治療期間中に胃静脈瘤破裂をきたした門脈血栓症の1例

症例は54歳男性.吐下血後の精査にてアルコール性肝硬変を背景とした食道胃静脈瘤および門脈血栓症を認めた.急速に増大した門脈血栓症に対しダナパロイドナトリウムを使用し奏効したが,治療中に胃静脈瘤からの出血をきたし内視鏡的硬化療法を施行した.ダナパロイドナトリウムは出血の危険性が少ない抗凝固薬で,門脈血栓症に対しても有用だが,消化管出血の危険性の高い症例に使用する際には注意が必要と考えられた....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2008, Vol.105(12), pp.1758-1765
Hauptverfasser: 瓦谷, 英人, 松村, 雅彦, 辻本, 達寛, 森本, 朋子, 北出, 光輝, 梅本, 典江, 酒井, 恭子, 福井, 博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は54歳男性.吐下血後の精査にてアルコール性肝硬変を背景とした食道胃静脈瘤および門脈血栓症を認めた.急速に増大した門脈血栓症に対しダナパロイドナトリウムを使用し奏効したが,治療中に胃静脈瘤からの出血をきたし内視鏡的硬化療法を施行した.ダナパロイドナトリウムは出血の危険性が少ない抗凝固薬で,門脈血栓症に対しても有用だが,消化管出血の危険性の高い症例に使用する際には注意が必要と考えられた.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.105.1758