IFN-β併用多剤化学療法(DAC-Tam療法)が奏効した直腸肛門部悪性黒色腫の1例
症例は73歳男性. 排便時の肛門部痛を主訴に来院した. 直腸Rb部に直径4cm大の一部黒色を呈する隆起性病変を認め, 肝転移をともない, 直腸肛門部悪性黒色腫(Stage IV)と診断された. dacarbazine, nimustine, cisplatin, tamoxifenによる多剤併用化学療法(DAC-Tam療法)に加えinterferon-βの局所投与を施行したところ, 1コース終了時には疼痛の消失と原発巣の縮小, 肝転移の消失を認めた. 計6コース施行後に, 直腸腫瘍からの出血コントロールに対する放射線治療を併用した. 化学療法を合計8コース施行し, 初回治療開始後24カ月経過し...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 2008, Vol.105 (11), p.1627-1633 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 症例は73歳男性. 排便時の肛門部痛を主訴に来院した. 直腸Rb部に直径4cm大の一部黒色を呈する隆起性病変を認め, 肝転移をともない, 直腸肛門部悪性黒色腫(Stage IV)と診断された. dacarbazine, nimustine, cisplatin, tamoxifenによる多剤併用化学療法(DAC-Tam療法)に加えinterferon-βの局所投与を施行したところ, 1コース終了時には疼痛の消失と原発巣の縮小, 肝転移の消失を認めた. 計6コース施行後に, 直腸腫瘍からの出血コントロールに対する放射線治療を併用した. 化学療法を合計8コース施行し, 初回治療開始後24カ月経過した現在も生存中である. 「はじめに」悪性黒色腫(malignant melanoma;MM)は生物学的悪性度が高いことから, 外科的切除以外に有効な治療はないが, 皮膚MMの術後補助療法としてdacarbazine(DTIC), nimustine(ACNU), vincristineを併用したDAV療法や, DTICとACNU, cisplatin(CDDP), tamoxifenを併用したDAC-Tam療法などの多剤併用化学療法, さらにこれらにinterferon(IFN)-βの局所投与を併用することにより生存率の延長が認められるようになってきた1). |
---|---|
ISSN: | 0446-6586 |