放射線誘発直腸癌の1例

症例は73歳,女性.42歳時に子宮頸癌術後に放射線療法を受けた.72歳時の2004年1月下部消化管内視鏡で直腸Rsにcontact bleedingをともなう発赤を認めた.生検では高度異型をともなうadenomaと診断され経過観察としていたが,2004年12月同部に潰瘍性病変を認め,生検で中分化腺癌であったため,2005年1月直腸切除術を施行した.組織学的には腫瘍はss, n(-)であり,腫瘍中心部の中分化腺癌の周囲や放射線照射範囲内の非癌部にdysplasiaを認めた.放射線腸炎にともなうdysplasiaが放射線誘発大腸癌の発生に関与したと思われた1例を経験したので,文献的考察を加えて報告...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2006, Vol.103(5), pp.551-557
Hauptverfasser: 成井, 一隆, 池, 秀之, 藤井, 正一, 野尻, 和典, 辰巳, 健志, 山岸, 茂, 齋藤, 修治, 国崎, 主税, 今田, 敏夫, 野澤, 昭典, 大木, 繁男, 大田, 貢由, 市川, 靖史, 嶋田, 紘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は73歳,女性.42歳時に子宮頸癌術後に放射線療法を受けた.72歳時の2004年1月下部消化管内視鏡で直腸Rsにcontact bleedingをともなう発赤を認めた.生検では高度異型をともなうadenomaと診断され経過観察としていたが,2004年12月同部に潰瘍性病変を認め,生検で中分化腺癌であったため,2005年1月直腸切除術を施行した.組織学的には腫瘍はss, n(-)であり,腫瘍中心部の中分化腺癌の周囲や放射線照射範囲内の非癌部にdysplasiaを認めた.放射線腸炎にともなうdysplasiaが放射線誘発大腸癌の発生に関与したと思われた1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.103.551