内臓脂肪蓄積を基盤とした消化器病態とその発症機序―アディポサイトカイン,特にアディポネクチンを中心に

近年,過食や運動不足による生活習慣病が増加している.その基盤に内臓脂肪蓄積によるメタボリックシンドロームがあることが注目されており,先頃,その診断基準が提唱された.脂肪組織からはアディポサイトカインという一群の生理活性物質が分泌されていることが知られている.肥満があると,このアディポサイトカインの分泌調節異常が生じ,そのためにインスリン抵抗性を始めとした多彩な病態が形成されることが明らかにされてきている.一方,消化器疾患の発症・進展におけるメタボリックシンドロームの関与が国内外で漸く検討され始めている.アディポサイトカインを介した消化器病態の発生機序が理解されると,疾患の予防・治療における新し...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2005, Vol.102(11), pp.1384-1391
Hauptverfasser: 河田, 純男, 三澤, 慶子, 三條, 麻衣, 大武, さや香
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年,過食や運動不足による生活習慣病が増加している.その基盤に内臓脂肪蓄積によるメタボリックシンドロームがあることが注目されており,先頃,その診断基準が提唱された.脂肪組織からはアディポサイトカインという一群の生理活性物質が分泌されていることが知られている.肥満があると,このアディポサイトカインの分泌調節異常が生じ,そのためにインスリン抵抗性を始めとした多彩な病態が形成されることが明らかにされてきている.一方,消化器疾患の発症・進展におけるメタボリックシンドロームの関与が国内外で漸く検討され始めている.アディポサイトカインを介した消化器病態の発生機序が理解されると,疾患の予防・治療における新しい標的が明らかになると考えられる.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi.102.1384