慢性肝炎の進展度診断における生検組織所見と腹腔鏡所見の乖離に関する検討
ウイルス性慢性肝疾患の進展度診断において,組織学的診断と腹腔鏡診断の間で生じる乖離の成因と臨床的意義について検討した.B型では26%,C型では18%の症例で診断の乖離が認められ,どちらも腹腔鏡診断の方がより進行度が高いと判定される例が多かった.診断の乖離する例では,腹腔鏡的に赤色紋理や斑紋をともなう例が多く,強い壊死炎症反応にともなう変化が乖離の生じる要因になっていると考えられた.組織学的に同一のステージと診断された症例のなかで,腹腔鏡的診断はより進行度が高いとされた例では,ステージ診断が一致した例に比べ累積発癌率が有意に高かった.このことより,診断の乖離が生じた例においては,腹腔鏡的診断を優...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 2005, Vol.102(9), pp.1161-1169 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ウイルス性慢性肝疾患の進展度診断において,組織学的診断と腹腔鏡診断の間で生じる乖離の成因と臨床的意義について検討した.B型では26%,C型では18%の症例で診断の乖離が認められ,どちらも腹腔鏡診断の方がより進行度が高いと判定される例が多かった.診断の乖離する例では,腹腔鏡的に赤色紋理や斑紋をともなう例が多く,強い壊死炎症反応にともなう変化が乖離の生じる要因になっていると考えられた.組織学的に同一のステージと診断された症例のなかで,腹腔鏡的診断はより進行度が高いとされた例では,ステージ診断が一致した例に比べ累積発癌率が有意に高かった.このことより,診断の乖離が生じた例においては,腹腔鏡的診断を優先して予後をとらえるべきであろうと考えられた. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi.102.1161 |