マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)研究の歴史と最先端

マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は,コラーゲンを主とする我々の細胞外基質の生理学的な維持・再構築に必要であり,癌の浸潤にも重要な役割を演ずる.特に,癌細胞表面に生じる限定的コラーゲン分解,および細胞運動賦活化機構は,癌の浸潤そのものを生み出すと考えられ,その中心的役割を演ずるプロテアーゼとして,膜型メタロプロテアーゼ(MT1-MMP)が注目されている.この酵素の持つ役割を深く理解し,この酵素の関わる癌浸潤過程に必須の分子イベントを効率よく抑制することは,21世紀における対癌治療の中で,癌浸潤制御のための有効な手段になると考えられる....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2003/02/05, Vol.100(2), pp.144-151
Hauptverfasser: 梁, 幾勇, 清木, 元治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は,コラーゲンを主とする我々の細胞外基質の生理学的な維持・再構築に必要であり,癌の浸潤にも重要な役割を演ずる.特に,癌細胞表面に生じる限定的コラーゲン分解,および細胞運動賦活化機構は,癌の浸潤そのものを生み出すと考えられ,その中心的役割を演ずるプロテアーゼとして,膜型メタロプロテアーゼ(MT1-MMP)が注目されている.この酵素の持つ役割を深く理解し,この酵素の関わる癌浸潤過程に必須の分子イベントを効率よく抑制することは,21世紀における対癌治療の中で,癌浸潤制御のための有効な手段になると考えられる.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.100.144