大腸癌の同時性孤立性副腎転移の1切除例

症例は65歳女性.主訴は下腹部痛.下部消化管検査にて直腸S状結腸部に2型進行癌を認め,同時に右副腎腫瘤を指摘された,腹部CT検査では軽度の造影効果を有する腫瘤との診断にとどまったが,腹部MRI検査では中心部より辺縁に車軸状に拡がる造影帯や不均一な内部構造が明らかとなり,また腫瘤辺縁に均一幅の造影帯を認めたことより大腸癌の孤立性副腎転移を第一に考えた.手術を施行し,中分化型腺癌が正常副腎組織を辺縁に圧排しながら増殖しておりMRIの所見に合致していた,悪性腫瘍にともなう副腎腫瘤の鑑別における腹部MRI検査は,検査の簡略化や術式決定の上でとくに有用であると考えられた....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2002/03/05, Vol.99(3), pp.295-301
Hauptverfasser: 小沢, 俊文, 渡辺, 秀紀, 奥山, 裕子, 奥村, 浩二, 土屋, 豊一, 丹治, 伸夫, 安斎, 幸夫, 海上, 雅光
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は65歳女性.主訴は下腹部痛.下部消化管検査にて直腸S状結腸部に2型進行癌を認め,同時に右副腎腫瘤を指摘された,腹部CT検査では軽度の造影効果を有する腫瘤との診断にとどまったが,腹部MRI検査では中心部より辺縁に車軸状に拡がる造影帯や不均一な内部構造が明らかとなり,また腫瘤辺縁に均一幅の造影帯を認めたことより大腸癌の孤立性副腎転移を第一に考えた.手術を施行し,中分化型腺癌が正常副腎組織を辺縁に圧排しながら増殖しておりMRIの所見に合致していた,悪性腫瘍にともなう副腎腫瘤の鑑別における腹部MRI検査は,検査の簡略化や術式決定の上でとくに有用であると考えられた.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.99.295