Chilaiditi症候群を契機に発見された肝内側区域形成不全の1例

症例は64歳の男性.上行結腸ポリープの切除目的に下部消化管内視鏡検査をうけたが,Chilaiditi症候群のため内視鏡が肝彎曲部を通過せず外科的処置目的に入院した.注腸造影検査で肝彎曲部では結腸の走行がループ状であった.CTで肝の内側区域が描出されず,肝表面が陥凹し,同部に結腸を認めた.腹部血管造影検査で肝動脈,門脈の分岐異常は認めなかった.肝内側区域の形成不全により肝表面が陥凹し同部に結腸が入り,Chilaiditi症候を示したものと考えられた.肝生検組織では肝硬変の所見は認めなかった.肝内側区域に限局した形成不全はきわめてまれな症例と考えられたので報告する....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 2001/01/05, Vol.98(1), pp.48-52
Hauptverfasser: 片桐, 義文, 鬼束, 惇義, 宮内, 忠雅, 味元, 宏道, 広瀬, 光男, 島崎, 信, 伊藤, 陽一郎, 中村, 俊之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は64歳の男性.上行結腸ポリープの切除目的に下部消化管内視鏡検査をうけたが,Chilaiditi症候群のため内視鏡が肝彎曲部を通過せず外科的処置目的に入院した.注腸造影検査で肝彎曲部では結腸の走行がループ状であった.CTで肝の内側区域が描出されず,肝表面が陥凹し,同部に結腸を認めた.腹部血管造影検査で肝動脈,門脈の分岐異常は認めなかった.肝内側区域の形成不全により肝表面が陥凹し同部に結腸が入り,Chilaiditi症候を示したものと考えられた.肝生検組織では肝硬変の所見は認めなかった.肝内側区域に限局した形成不全はきわめてまれな症例と考えられたので報告する.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.98.48