肝膿瘍をともなったアメーバ性大腸炎の1例
アメーバ性大腸炎は一時減少傾向にあったが, 海外渡航歴, 輸入感染者, 男性同性愛者などの増加にともない近年増加傾向にある1). 今回私たちは肝膿瘍をともなったアメーバ性大腸炎の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. I症例 患者:34歳, 男性. 主訴:発熱. 家族歴, 既往歴:特記事項なし. 現病歴:1998年5月中旬より38度の発熱と食思不振, 左肩部痛を認め, 6月1日精査加療目的で入院となる. 入院時現症:血圧124/68mmHg, 脈拍104/分, 体温39.4℃. 眼瞼結膜および眼球結膜に貧血, 黄疸なし. 表在リンパ節は触知せず, 胸部の理学的所見にも異常を認めな...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 2000/03/05, Vol.97(3), pp.366-368 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | アメーバ性大腸炎は一時減少傾向にあったが, 海外渡航歴, 輸入感染者, 男性同性愛者などの増加にともない近年増加傾向にある1). 今回私たちは肝膿瘍をともなったアメーバ性大腸炎の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. I症例 患者:34歳, 男性. 主訴:発熱. 家族歴, 既往歴:特記事項なし. 現病歴:1998年5月中旬より38度の発熱と食思不振, 左肩部痛を認め, 6月1日精査加療目的で入院となる. 入院時現症:血圧124/68mmHg, 脈拍104/分, 体温39.4℃. 眼瞼結膜および眼球結膜に貧血, 黄疸なし. 表在リンパ節は触知せず, 胸部の理学的所見にも異常を認めなかった. 腹部所見では肝, 脾, 腫瘤は触知せず, 左季肋部に圧痛を認めた. 入院時検査成績(Table1):末梢血検査では白血球増加, CRPの著明な上昇とTPHA, 便潜血反応が陽性であった. 腹部超音波検査:肝外側区域に約5cmの境界不明瞭な低エコー像を認めた(Figure2a). 腹部造影CT検査:辺縁および内部の一部に淡い造影効果のある不整なlow density areaが肝左葉に見られた(Figure2b). |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.97.366 |