Helicobacter pylori除菌後に生じたびらん型十二指腸炎の検討

Helicobacter pylori(Hp)除菌後に認められるびらん型十二指腸炎について検討した.胃十二指腸潰瘍59例を,amoxicillin,clarithromycin,lansoprazol,polaprezincで除菌し,成功した44例(男35例,女9例,平均年齢51±13歳)を対象とした.結果は,そのうち18名(43.2%)にびらん型十二指腸炎を認めた.びらん型十二指腸炎は,基礎疾患に十二指腸潰瘍が有意に多かったが,他の背景因子に差はなかった.びらんは球部前壁を中心に存在していたが,後壁や下行脚まで拡がっていたものも多く認められた.症状はなく,無治療で予後は良好だった.びらん型十...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1999, Vol.96(1), pp.14-20
Hauptverfasser: 後藤, 亨, 菱木, 智, 田中, 正仁, 志和, 忠志, 栃久保, 修, 川口, 義明, 横山, 信之, 小松, 和人, 鈴木, 亮一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:Helicobacter pylori(Hp)除菌後に認められるびらん型十二指腸炎について検討した.胃十二指腸潰瘍59例を,amoxicillin,clarithromycin,lansoprazol,polaprezincで除菌し,成功した44例(男35例,女9例,平均年齢51±13歳)を対象とした.結果は,そのうち18名(43.2%)にびらん型十二指腸炎を認めた.びらん型十二指腸炎は,基礎疾患に十二指腸潰瘍が有意に多かったが,他の背景因子に差はなかった.びらんは球部前壁を中心に存在していたが,後壁や下行脚まで拡がっていたものも多く認められた.症状はなく,無治療で予後は良好だった.びらん型十二指腸炎は,すべて成功例に出現したこと,またその後が良好なことから,副作用というより,除菌の成功を示唆する所見と考えられた.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.96.14