肝原発悪性リンパ腫の1例

肝原発悪性リンパ腫は極めて稀な疾患であり, 節外性リンパ腫のわずかO.4%を占めるに過ぎない1). これまでの報告では, その診断はしばしば困難であり, また, 治療においては手術療法が第1に選択されており, 化学療法単独では予後不良とされている. 今回著者らは, 高齢者肝原発悪性リンパ腫の1例を経験し, 治療法として経口VP-16化学療法が有効であったことから, 貴重な症例であったと思われるため, その診断, 治療につき, 27例の本邦報告例をもとに文献的考察を含めて報告する. II症例 患者:77歳, 女性. 主訴:心窩部痛. 既往歴:67歳に胆石症を指摘される. 家族歴:特記事項なし....

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1998, Vol.95(11), pp.1254-1260
Hauptverfasser: 信岡, 純, 石垣, 聖史, 平山, 敦, 高田, 弘一, 佐藤, 勉, 高山, 哲治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:肝原発悪性リンパ腫は極めて稀な疾患であり, 節外性リンパ腫のわずかO.4%を占めるに過ぎない1). これまでの報告では, その診断はしばしば困難であり, また, 治療においては手術療法が第1に選択されており, 化学療法単独では予後不良とされている. 今回著者らは, 高齢者肝原発悪性リンパ腫の1例を経験し, 治療法として経口VP-16化学療法が有効であったことから, 貴重な症例であったと思われるため, その診断, 治療につき, 27例の本邦報告例をもとに文献的考察を含めて報告する. II症例 患者:77歳, 女性. 主訴:心窩部痛. 既往歴:67歳に胆石症を指摘される. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:平成8年7月頃より, 上腹部腫瘤を自覚するも放置. 同年8月2日, 心窩部痛, 嘔吐が出現し, 当院入院となる. 入院時現症:身長146cm, 体重44kg. 体温37.2℃. 心窩部に表面平滑で弾性硬な腫瘤を触知した. 表在リンパ節は触知しなかった.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.95.1254