自己免疫機序が関与したと考えられる蛋白漏出性胃症の1例
蛋白漏出性胃腸症は消化管腔への血漿蛋白の異常漏出により低蛋白血症をきたす症候群の総称であり, その原因は多岐にわたっている. 今回我々は, 自己免疫機序の関与が疑われ, ステロイド治療が有効であった蛋白漏出性胃症の1例を経験したので報告する. I症例 患者:31歳, 女性. 主訴:下腿浮腫. 既往歴:26歳時妊娠中にネフローゼ症候群となりステロイド治療で改善した. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成8年1月初旬より下腿浮腫を自覚し増悪傾向を認め1月19日当科初診. 検査成績では血清総蛋白(T. P. )4.1g/dlと低蛋白血症を認め, 精査加療目的に入院となった. 入院時現症:身長1...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1998, Vol.95(10), pp.1121-1125 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 蛋白漏出性胃腸症は消化管腔への血漿蛋白の異常漏出により低蛋白血症をきたす症候群の総称であり, その原因は多岐にわたっている. 今回我々は, 自己免疫機序の関与が疑われ, ステロイド治療が有効であった蛋白漏出性胃症の1例を経験したので報告する. I症例 患者:31歳, 女性. 主訴:下腿浮腫. 既往歴:26歳時妊娠中にネフローゼ症候群となりステロイド治療で改善した. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成8年1月初旬より下腿浮腫を自覚し増悪傾向を認め1月19日当科初診. 検査成績では血清総蛋白(T. P. )4.1g/dlと低蛋白血症を認め, 精査加療目的に入院となった. 入院時現症:身長160cm, 体重56.3kg, 顔面は軽度浮腫状, 皮膚および口腔に異常なし. 頚部甲状腺腫なし. 心肺異常なし. 腹部では肝, 脾腫なく腹水もなし. 両下腿に圧痕を残す浮腫を認めた. 神経学的に特記すべき所見なし. 検査所見(Table 1):尿蛋白陰性で便潜血反応も陰性であった. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.95.1121 |