CA19-9が高値を示した空腸癌の1例
「はじめに」小腸の悪性腫瘍は, 全消化管悪性腫瘍の0.1~0.3%と頻度が低く1), 近年の画像診断学の普及から報告例も次第に増加しつつある. また, 小腸癌と腫瘍マーカーとの関係に関する報告はこれまで少ない. 今回我々はCA19-9が著明高値を示し, 小腸造影, 小腸内視鏡検査, 腹部CT検査により, 術前に組織学的に確定診断ができた空腸癌の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. I症例 患者:54歳, 男性. 主訴:悪心, 嘔吐, 体重減少. 既往歴:十二指腸潰瘍, 高血圧. 家族歴:父, 胃癌. 現病歴:1995年10月下旬頃より, 食後4~5時間で嘔気, 嘔吐が出現する...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1998, Vol.95(7), pp.781-785 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」小腸の悪性腫瘍は, 全消化管悪性腫瘍の0.1~0.3%と頻度が低く1), 近年の画像診断学の普及から報告例も次第に増加しつつある. また, 小腸癌と腫瘍マーカーとの関係に関する報告はこれまで少ない. 今回我々はCA19-9が著明高値を示し, 小腸造影, 小腸内視鏡検査, 腹部CT検査により, 術前に組織学的に確定診断ができた空腸癌の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. I症例 患者:54歳, 男性. 主訴:悪心, 嘔吐, 体重減少. 既往歴:十二指腸潰瘍, 高血圧. 家族歴:父, 胃癌. 現病歴:1995年10月下旬頃より, 食後4~5時間で嘔気, 嘔吐が出現するようになったため, 近医を受診した. 上部消化管内視鏡検査および腹部エコー検査で, 異常を認めなかった. その後も嘔吐が持続し, 10kgの体重減少とCA19-9の上昇が認められたため, 同年12月19日当科精査入院となった. 入院時現症:身長164cm, 体重64.5kg, 血圧142/84mmHg, 脈拍65/分, 結膜に貧血, 黄疸なし, 体表リンパ節触知せず. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.95.781 |