S状結腸間に痩孔形成を認めた潰瘍性大腸炎の1症例
炎症性変化が腸管壁の全層に及ぶクローン病では, しばしば痩孔の形成が経験されるが, 潰瘍性大腸炎に合併するのはきわめてまれである. われわれは, 下腹部痛, 頻回の血性下痢, 貧血を主訴に来院し全結腸型潰瘍性大腸炎, 重症型と診断された1症例に, 経過中S状結腸上部と中部の間に内痩形成を認めた. 炎症が表層に限局する潰瘍性大腸炎に痩孔を形成することはまれであり, 貴重な症例と考えられるので, 若干の考察を加え報告する. I 症例 患者:41歳, 女性. 主訴:下腹部痛, 血性下痢. 家族歴:姉に大腸癌. 生活歴:喫煙なし. 機会飲酒. 既往歴:アレルギーなし. 海外渡航歴なし. 現病歴:199...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1997, Vol.94 (10), p.670-675 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 炎症性変化が腸管壁の全層に及ぶクローン病では, しばしば痩孔の形成が経験されるが, 潰瘍性大腸炎に合併するのはきわめてまれである. われわれは, 下腹部痛, 頻回の血性下痢, 貧血を主訴に来院し全結腸型潰瘍性大腸炎, 重症型と診断された1症例に, 経過中S状結腸上部と中部の間に内痩形成を認めた. 炎症が表層に限局する潰瘍性大腸炎に痩孔を形成することはまれであり, 貴重な症例と考えられるので, 若干の考察を加え報告する. I 症例 患者:41歳, 女性. 主訴:下腹部痛, 血性下痢. 家族歴:姉に大腸癌. 生活歴:喫煙なし. 機会飲酒. 既往歴:アレルギーなし. 海外渡航歴なし. 現病歴:1995年4月下旬より下腹部痛あり. 1日数回の軟便~水様便および食思不振を伴い, 約1ヵ月間で体重が4kg減少した. 5月2日に近医を受診し, 抗生物質を内服し自覚症状は軽減した. しかし, 2週間後より再び下腹部痛, 頻回の血性下痢を認めたため5月23日当科受診し入院となった. 経過中嘔気, 嘔吐なく, 関節痛もなかった. |
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ISSN: | 0446-6586 |