膵における多核巨細胞の臨床病理学的解析

巨細胞癌5例,破骨細胞様巨細胞を伴う粘液性嚢胞腺癌1例,浸潤性膵管癌42例,慢性膵炎29例を対象に,膵に出現する多核巨細胞について検討した.多核巨細胞は免疫組織化学的に(1)上皮性,(2)上皮性・間葉系重複発現,(3)間葉系に分類でき,(1)はケラチン,EMAなど上皮性を示し,巨細胞癌1例と膵管癌23例に認めた.(2)は上皮性に加えてビメンチンが重複発現し,膵管癌4例に認めた.(3)はビメンチン,CD68など間葉系を示し,巨細胞癌4例,嚢胞腺癌1例,膵管癌6例,慢性膵炎10例に認めた.(1),(2)は腺癌成分から移行を認め,上皮性腫瘍細胞と考えられ,(2)の重複発現は肉腫様の形態に伴うものと考...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1997/10/05, Vol.94(10), pp.649-657
Hauptverfasser: 三宅, 知雄, 須田, 耕一, 山村, 彰彦, 多田, 祐輔
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:巨細胞癌5例,破骨細胞様巨細胞を伴う粘液性嚢胞腺癌1例,浸潤性膵管癌42例,慢性膵炎29例を対象に,膵に出現する多核巨細胞について検討した.多核巨細胞は免疫組織化学的に(1)上皮性,(2)上皮性・間葉系重複発現,(3)間葉系に分類でき,(1)はケラチン,EMAなど上皮性を示し,巨細胞癌1例と膵管癌23例に認めた.(2)は上皮性に加えてビメンチンが重複発現し,膵管癌4例に認めた.(3)はビメンチン,CD68など間葉系を示し,巨細胞癌4例,嚢胞腺癌1例,膵管癌6例,慢性膵炎10例に認めた.(1),(2)は腺癌成分から移行を認め,上皮性腫瘍細胞と考えられ,(2)の重複発現は肉腫様の形態に伴うものと考えられた.(3)は組織球系の非腫瘍性細胞と考えられた.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.94.10_649