特異な超音波像を呈した自己免疫性胆管炎の1例

近年, 抗ミトコンドリア抗体陰性原発性胆汁性肝硬変の症例の中に, 抗核抗体が高力価陽性であり, ステロイドによく反応する症例が存在することが明らかとなり, これらの1群の症例に対し自己免疫性胆管炎という疾患概念が提唱されている1)~3). われわれは, 肝内に不均一な大小の斑状高エコー領域がび漫性に広がる特異な超音波像を認めた自己免疫性胆管炎と考えられる1症例を経験した. 超音波像について考察を加え報告する. I 症例 症例:51歳, 女性. 主訴:肝機能の精査. 家族歴:肝疾患なし. 生活歴:飲酒なし. 既往歴:輸血なし. 現病歴:1993年(49歳)ころより毎年健診で肝機能障害を指摘されて...

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Veröffentlicht in:日本消化器病学会雑誌 1997/09/05, Vol.94(9), pp.632-637
Hauptverfasser: 高橋, 和弘, 岡田, 正史, 都留, 智巳, 末永, 和之, 渡辺, 恵幸, 為近, 義夫, 石橋, 大海
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 抗ミトコンドリア抗体陰性原発性胆汁性肝硬変の症例の中に, 抗核抗体が高力価陽性であり, ステロイドによく反応する症例が存在することが明らかとなり, これらの1群の症例に対し自己免疫性胆管炎という疾患概念が提唱されている1)~3). われわれは, 肝内に不均一な大小の斑状高エコー領域がび漫性に広がる特異な超音波像を認めた自己免疫性胆管炎と考えられる1症例を経験した. 超音波像について考察を加え報告する. I 症例 症例:51歳, 女性. 主訴:肝機能の精査. 家族歴:肝疾患なし. 生活歴:飲酒なし. 既往歴:輸血なし. 現病歴:1993年(49歳)ころより毎年健診で肝機能障害を指摘されていたが, 原因不明といわれていた. 1995年2月肝機能障害および腹部超音波の異常を指摘され当院受診した. 入院時現症:156cm, 64kg, 脈拍64/分, 血圧110/70mmHg. 眼瞼結膜に貧血なく, 眼球結膜に黄疸なし. 胸部, 心音, 呼吸音異常なし. くも状血管腫なし. 腹部は平坦. 肝臓, 脾臓触知せず. 四肢, 手掌紅斑なし.
ISSN:0446-6586
1349-7693
DOI:10.11405/nisshoshi1964.94.9_632