戦時中の被弾に起因したと考えられる胆管異物の1例
総胆管内異物としては, 胆嚢摘出術の際に使用された絹糸が古くより報告されている1)~3). また開腹手術に伴う場合以外にも, ファータ乳頭よりの逆行性迷入に起因すると考えられる報告も散見される4). 今回われわれは閉塞性黄疸にて来院した患者において, 内視鏡的に摘出された異物が戦争中の被弾に起因したと考えられる金属製ネジであった症例を経験したので報告する. 1症例患者:74歳, 男性. 主訴:全身倦怠感, 黄疸. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:昭和19年, 第2次世界大戦時, 中国大陸にて従軍中前胸部に被弾した. この際, 腹膜炎症状出現するも治療できず自然軽快し, 復員後腹部X線写真にて上...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1997/08/05, Vol.94(8), pp.549-551 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 総胆管内異物としては, 胆嚢摘出術の際に使用された絹糸が古くより報告されている1)~3). また開腹手術に伴う場合以外にも, ファータ乳頭よりの逆行性迷入に起因すると考えられる報告も散見される4). 今回われわれは閉塞性黄疸にて来院した患者において, 内視鏡的に摘出された異物が戦争中の被弾に起因したと考えられる金属製ネジであった症例を経験したので報告する. 1症例患者:74歳, 男性. 主訴:全身倦怠感, 黄疸. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:昭和19年, 第2次世界大戦時, 中国大陸にて従軍中前胸部に被弾した. この際, 腹膜炎症状出現するも治療できず自然軽快し, 復員後腹部X線写真にて上腹部に金属製異物を指摘された. 以後, 無症状で経過していたが平成8年6月頃より全身倦怠感, 黄疸が出現してきたため当院を受診した. 来院時貧血は認めなかったが, WBC6500/μl(Stab 42%, Seg 40%, Eos 2%, Ly 16%)と好中球の左方移動を認め, GOT 47IU, GPT88IU, ALP357IU, T. Bil7. 7mg/dl, γ-GTP158U/lと胆道系酵素の上昇を伴う黄疸を認めたため, 平成8年6月11日入院となった. |
---|---|
ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.94.8_549 |