ステロイド療法によりcarcinoembryonic antigenの高値が改善したCronkhite-Canada症候群の1例
Cronkhite-Canada症候群(以下CCS)は, 消化管ポリポーシスに脱毛, 色素沈着, 爪甲異常などの外胚葉系の異常を伴う非遺伝性の疾患であり1), 1993年末までに, 世界で279例の報告がある. 本邦報告例は213例であり2), その内, 癌を合併しない症例で血中のCEAが高値を呈した症例は, 知りえた範囲で9例あり, 経過が追えたものは4例であった3)~6). 今回われわれは, 血清CEAが上昇し, ステロイド療法により, 血清CEA値が低下したCCSの1例を経験したので報告する. I 症例 患者:70歳, 男性. 主訴:下痢. 既往歴:慢性関節リウマチ, 間質性肺炎, 糖尿...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1997/08/05, Vol.94(8), pp.543-548 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Cronkhite-Canada症候群(以下CCS)は, 消化管ポリポーシスに脱毛, 色素沈着, 爪甲異常などの外胚葉系の異常を伴う非遺伝性の疾患であり1), 1993年末までに, 世界で279例の報告がある. 本邦報告例は213例であり2), その内, 癌を合併しない症例で血中のCEAが高値を呈した症例は, 知りえた範囲で9例あり, 経過が追えたものは4例であった3)~6). 今回われわれは, 血清CEAが上昇し, ステロイド療法により, 血清CEA値が低下したCCSの1例を経験したので報告する. I 症例 患者:70歳, 男性. 主訴:下痢. 既往歴:慢性関節リウマチ, 間質性肺炎, 糖尿病, 白内障, 狭心症. 家族歴:父が喉頭癌. 現病歴:平成6年12月頃より下痢, 味覚異常, 体重減少が出現し, 2月20日精査, 加療のため入院した. 入院時現症:身長168cm, 体重66kg, 体温36. 8℃, 血圧120/60mmHg, 脈拍74/分, 整. 手背, 足蹟に色素沈着, 頭部, 腋窩に脱毛があり, 爪甲は萎縮, 脱落し, 舌の発赤, 腫大を認めた(Fig-ure1). |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.94.8_543 |