膵周囲に発生し嚢胞性膵腫瘍との鑑別が必要であった後腹膜神経鞘腫4例
後腹膜腫瘍の頻度は少なく, なかでも神経鞘腫はまれである. 一般に神経鞘腫を含めて後腹膜腫瘍は嚢状の変化を来しやすく, また特異的な画像所見がない. 膵に隣接して発生した後腹膜腫瘍は, しばしば術前膵腫瘍と誤認されており両者の鑑別が必要である. 今回われわれは, 過去15年間において膵周囲に発生し, 嚢胞性膵腫瘍との鑑別が重要であった後腹膜神経鞘腫4例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 患者:39歳, 女性, 主婦. 主訴:左季肋部痛, 左背部痛. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成4年10月上旬頃より左季肋部痛, 左背部痛を訴え, 不眠と食欲不振を来したた...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1996, Vol.93(12), pp.947-952 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 後腹膜腫瘍の頻度は少なく, なかでも神経鞘腫はまれである. 一般に神経鞘腫を含めて後腹膜腫瘍は嚢状の変化を来しやすく, また特異的な画像所見がない. 膵に隣接して発生した後腹膜腫瘍は, しばしば術前膵腫瘍と誤認されており両者の鑑別が必要である. 今回われわれは, 過去15年間において膵周囲に発生し, 嚢胞性膵腫瘍との鑑別が重要であった後腹膜神経鞘腫4例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 患者:39歳, 女性, 主婦. 主訴:左季肋部痛, 左背部痛. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成4年10月上旬頃より左季肋部痛, 左背部痛を訴え, 不眠と食欲不振を来したため近医を受診. 腹部US, CTにて膵体尾部より突出する5cm大の腫瘍を認めた. 膵腫瘍が疑われ精査加療目的で当科紹介, 入院となった. 入院時現症:身長156cm, 体重52kg, 血圧120/70mmHg. 貧血, 黄疸なし. 心肺異常なし. 左季肋部に圧痛を認めるが腫瘤触知せず. 入院時検査成績:内分泌学的所見, 腫瘍マーカーを含め血液検査上異常を認めなかった. 腹部超音波(以下US):膵体尾部から上外方に突出する表面平滑な5.0×4.7×3.7cmの腫瘍を認め, 左腎と脾を圧排していた. 内部は隔壁で境され, 多胞性嚢胞性成分と充実性成分が混在していた. 腹部CT:被膜の一部に石灰化が認められ, 被膜は比較的均一に造影され, 充実性部分は不均一に造影された(Figure1). 上部消化管造影:胃の体上後壁大彎寄りに, 粘膜下腫瘍様に壁外からの圧排像として認められた. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.93.947 |