急性膵炎による大腸狭窄の2例: 自験ならびに本邦報告例の検討
急性膵炎の合併症として多臓器不全, 重症感染症, DIC(汎発性血管内凝固症候群)などが知られているが, 大腸合併症を伴うことはまれとされている. 今回われわれは, 急性膵炎の経過中に大腸狭窄を来した2症例を経験したので本邦報告例の文献的考察を加えて報告する. I 症例 症例1:50歳, 男性. 主訴:下痢, 上腹部痛. 既往歴:特記すべきことなし. 嗜好品:日本酒4~5合/日. 現病歴:1992年12月末より上腹部痛が出現. 翌年1月5日朝より上腹部痛が増強したため当科受診. 血液検査にて血清アミラーゼの高値を認め急性膵炎の疑いにて精査加療のため入院となった. 入院時現症:身長172cm,...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1996/10/05, Vol.93(10), pp.775-779 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 急性膵炎の合併症として多臓器不全, 重症感染症, DIC(汎発性血管内凝固症候群)などが知られているが, 大腸合併症を伴うことはまれとされている. 今回われわれは, 急性膵炎の経過中に大腸狭窄を来した2症例を経験したので本邦報告例の文献的考察を加えて報告する. I 症例 症例1:50歳, 男性. 主訴:下痢, 上腹部痛. 既往歴:特記すべきことなし. 嗜好品:日本酒4~5合/日. 現病歴:1992年12月末より上腹部痛が出現. 翌年1月5日朝より上腹部痛が増強したため当科受診. 血液検査にて血清アミラーゼの高値を認め急性膵炎の疑いにて精査加療のため入院となった. 入院時現症:身長172cm, 体重65kg. 心窩部に自発痛, 圧痛を認めたが, 腹部腫瘤を触知せず, 腹膜刺激症状は認めなかった. 入院時血液検査:WBC9300/mm3, CRP7. 4mg/dlた中等度の炎症所見を認め, 血清アミラーゼ1382IU/l, 尿アミラーゼ3600S-U, 血清リパーゼ350BALB単位, エラスターゼ12083IU/lと各々上昇していた. GOT112IU/l, GPT109IU/l, γ-GTP1021IU/l, LAP299IU/lと肝機能異常も認めた. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.93.775 |