左肝管に肝細胞癌が浸潤した混合型肝癌の1切除例
「はじめに」全国原発性肝癌追跡調査報告1)によれば, 組織学的に混合型肝癌と診断されたのは, 原発性肝癌4141例中30例(0.7%)とまれである. また肝細胞癌が胆管に浸潤する頻度は低く, 同調査で3176例中87例(3%)と報告されている. 最近, 拡大左葉切除で摘出した左肝管に浸潤した肝腫瘍が, 組織学的には混合型肝癌で, 肝管浸潤が肝細胞癌の成分であった症例を経験したので報告する. I症例 患者:65歳, 男性. 主訴:心窩部痛. 既往および家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成5年3月, 心窩部痛のため近医を受診した. 腹部超音波で肝腫瘍を指摘され, 同年7月手術目的に当科を紹介...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1996/06/05, Vol.93(6), pp.428-432 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」全国原発性肝癌追跡調査報告1)によれば, 組織学的に混合型肝癌と診断されたのは, 原発性肝癌4141例中30例(0.7%)とまれである. また肝細胞癌が胆管に浸潤する頻度は低く, 同調査で3176例中87例(3%)と報告されている. 最近, 拡大左葉切除で摘出した左肝管に浸潤した肝腫瘍が, 組織学的には混合型肝癌で, 肝管浸潤が肝細胞癌の成分であった症例を経験したので報告する. I症例 患者:65歳, 男性. 主訴:心窩部痛. 既往および家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成5年3月, 心窩部痛のため近医を受診した. 腹部超音波で肝腫瘍を指摘され, 同年7月手術目的に当科を紹介された. 入院時現症:腹部触診で肝を鎖骨中線で1横指触れたが, 腫瘤は触知しなかった. 入院時検査所見:血液一般検査に異常はなく, 生化学検査では総ビリルビンとALPに軽度の上昇を認めた. 腫瘍マーカーのAFP(alpha fetoprotein), CEA(carcinoembryonic antigen)とCA(carbohydrate antigen)19-9は正常範囲であった. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.93.428 |