経過中common variable immunodeficiencyが顕在化した潰瘍性大腸炎の1例
「はじめに」common variable immunodeficiency(以下CVI)は, 無(低)γ-グロブリン血症を呈する病態のうち, 分類不能な病型として一括されている. 本症の本態はB細胞の分化各段階における障害を始め, 様々な免疫学的異常が認められている1). 本症の臨床症状には易感染性の他にも多彩な合併症がみられることが知られており, 各種の消化器疾患, 悪性腫瘍, 自己免疫疾患などの合併が報告されている2)3). 今回われわれは, 潰瘍性大腸炎の経過中にCVIが顕在化した症例を経験したため, 免疫異常の観点から文献的考察を加えて報告する. I症例 症例:69歳, 男性. 主訴...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1996/06/05, Vol.93(6), pp.423-427 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」common variable immunodeficiency(以下CVI)は, 無(低)γ-グロブリン血症を呈する病態のうち, 分類不能な病型として一括されている. 本症の本態はB細胞の分化各段階における障害を始め, 様々な免疫学的異常が認められている1). 本症の臨床症状には易感染性の他にも多彩な合併症がみられることが知られており, 各種の消化器疾患, 悪性腫瘍, 自己免疫疾患などの合併が報告されている2)3). 今回われわれは, 潰瘍性大腸炎の経過中にCVIが顕在化した症例を経験したため, 免疫異常の観点から文献的考察を加えて報告する. I症例 症例:69歳, 男性. 主訴:頻回の血便. 既往歴:39歳時に慢性関節リウマチ(以下RA)と診断され(朝のこわばり, 3個以上の関節腫脹, 手, 中手指, 近位指関節の腫脹, 手指のX線変化, リウマトイド因子の存在, 計5項目診断基準を満たす), 今日まで, プレドニゾロン10mg/日前後の副腎皮質ホルモン服用をはじめとする各種の内科的治療を続けてきた. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.93.423 |