膵仮性嚢胞との鑑別に苦慮したectopic esophago-gastric duplication cystの1例
「はじめに」消化管重複症は舌根から肛門に至る全消化管に発生しうる先天性疾患である. イレウス, 消化管出血, 穿孔などにより幼小児期に発見されることが多いが, なかには成人になるまで無症状に経過することもある. 今回われわれは, 膵仮性嚢胞との鑑別に苦慮したectopic esophago-gastric duplication cystの1例を経験したので, 本邦での文献的考察を加えて報告する. I症例 症例:35歳, 女性. 主訴:上腹部痛. 既往歴:33歳時, 腹部打撲. 家族歴:特記すべきことなし. 飲酒歴:ブランデー20ml/日, 10年間. 現病歴:1993年7月頃より上腹部痛が出...
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Veröffentlicht in: | 日本消化器病学会雑誌 1996/05/05, Vol.93(5), pp.351-356 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」消化管重複症は舌根から肛門に至る全消化管に発生しうる先天性疾患である. イレウス, 消化管出血, 穿孔などにより幼小児期に発見されることが多いが, なかには成人になるまで無症状に経過することもある. 今回われわれは, 膵仮性嚢胞との鑑別に苦慮したectopic esophago-gastric duplication cystの1例を経験したので, 本邦での文献的考察を加えて報告する. I症例 症例:35歳, 女性. 主訴:上腹部痛. 既往歴:33歳時, 腹部打撲. 家族歴:特記すべきことなし. 飲酒歴:ブランデー20ml/日, 10年間. 現病歴:1993年7月頃より上腹部痛が出現, 近医を受診し, 腹部超音波, CT検査にて膵仮性嚢胞を疑われ, 精査加療目的で当科入院した. 入院時現症:身長150cm, 体重35.4kg, 脈拍71/min整, 血圧90/70mmHg, 眼球結膜に黄疸なく, 眼瞼結膜に貧血なし. 心肺異常なし. 腹部は平坦, 軟で明らかな腫瘤は触知せず, 圧痛, 自発痛なし. 肝脾触知せず. 下腿浮腫なし. 入院時検査所見(Table1):血液生化学検査ではS型優位の軽度の高アミラーゼ血症が認められた以外特に異常なく, 腫瘍マーカーも正常であった. |
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ISSN: | 0446-6586 1349-7693 |
DOI: | 10.11405/nisshoshi1964.93.351 |